物語の中盤、グリシャの手記によって明かされたダイナ・フリッツの生い立ちは、当時の読者と視聴者に計り知れない戦慄を与えた。かつて巨人大戦の折、パラディ島へ逃れなかった王家の末裔。彼女はエルディア復権派の希望として担ぎ上げられ、グリシャと出会い、息子ジークをもうけた。
しかし、その希望は実の息子であるジークの裏切りによって儚く崩れ去る。「楽園送り」と称されるマーレの処刑場で、ダイナは巨人の脊髄液を注射され、知性を失った無垢の巨人へと変貌させられた。刺すような日差しの中、彼女が夫グリシャに遺した「どんな姿になっても、あなたを見つけるわ」という最期の言葉。それが、後に世界を絶望へと叩き落とす切ない伏線となっていた。