鮮烈だった。スタジオに現れたガガの姿に、視聴者は息をのんだ。
黒地のアバンギャルドなドレスに身を包み、頭上には巨大な「玉ねぎヘア」。黒柳徹子のトレードマークであるあのヘアスタイルを、ガガなりの解釈でハイファッションへと昇華させていたのだ。さらに驚くべきは、その髪の中からキャンディーを取り出し、黒柳に手渡した場面である。「徹子さんが髪から飴を出す」という日本のお茶生みの定番ネタを、まさか世界のガガが完璧にオマージュするとは誰が想像しただろうか。
「彼女はただ奇抜な服を着てきたわけではありませんでした。黒柳さんという人物、そして日本のカルチャーに対する徹底的なリサーチと敬意があったからこその演出です」。当時番組に携わっていたスタッフはそう振り返る。計算された演出を超えた、純粋な遊び心とリスペクト。そこには受け狙いではない、真のアーティスト同士の対話が存在していた。