ネット上のコミュニティやQ&Aサイトでは、長年にわたり「ルーキーズ元ネタは誰の格言なのか?」という議論が交わされてきました。川藤幸一という人物は、作中で吉田松陰や孟子、セネカ、ゲーテといった歴史上の偉人や思想家の言葉を頻繁に引用します。そのため、「明日にきらめけも過去の偉大な哲学者の言葉ではないか」と推測する声が後を絶ちませんでした。
しかし、当時の制作秘話や関係者の証言を丹念に検証すると、このフレーズこそ原作者である森田まさのり氏が絞り出した完全なオリジナルフレーズであることが分かります。偉人の名言を巧みに操る博学な川藤が、自身の血肉となった信念を最も純度の高い自らの言葉として吐露した瞬間が、あの壇上のシーンでした。
「夢」という手垢のついた言葉に「ときめき」というみずみずしい感情を結びつけ、「明日」という時間軸に「きらめき」という視覚的・情緒的な輝きを与える――この研ぎ澄まされた対句構造は、熱血漫画の枠を飛び越え、日本語のキャッチコピー史に残る傑作となったのです。