足の指をぶつけた際、多くの人が「歩けるし走ることもできるから、ただの打撲だ」と思い込んで受診を先延ばしにします。しかし、臨床現場や患者の手記からは全く逆の実情が浮き彫りになっています。
自らの怪我の経緯を克明に綴ったブログ『A la canの冒険!!』の記録によると、著者はタンスの角に足の小指を強打した直後、「すぐに歩けたし、なんなら走れた」ため単なる打撲と認識していました。しかし、違和感が拭えず「念のため」と整形外科を受診したところ、確定診断は「左足小指基節骨の剥離骨折」でした。足の小指は人間が直立歩行する際、親指側(母指球)ほど直接的な荷重を支えていません。そのため、骨折部が粉砕していたり大きく曲がっていたりしない限り、かかとに体重を乗せれば歩行自体は成立してしまうのです。
自己判断の誤りを防ぐため、臨床における足の小指骨折の症状と単純打撲の客観的指標を比較したデータが以下となります。
このように、「骨折=歩行不能」という構図は足の小指には当てはまりません。軸圧痛や足の甲にまで広がる内出血が確認された場合は、歩行可能であっても骨折の蓋然性が極めて高いと認識することが安全への第一歩です。