高校生や大学受験生が経験するスランプは、模試の成績停滞や試験への重圧が重なることで深刻化します。SNSや質問サイトの投稿を検証すると、「机に座ると涙が出てくる」「周りが伸びているのに自分だけ取り残されている」といった悲痛な声が数多く見受けられます。こうした精神的スランプを乗り越えるためには、感情に左右されない「習慣化ルーティン」の構築が不可欠です。
米スタンフォード大学などの行動心理学研究で有効性が実証されているのが、「If-Thenプランニング(もし〇〇したら、××する)」です。「夕食を食べ終わったら(条件)、すぐに英単語帳を開いて机に置く(行動)」「通学電車に乗ったら、スマホを取り出さず暗記カードを手に持つ」というように、既存の日常行動と勉強の初動をセットで条件付けします。これにより、「勉強を始めるかどうか迷う」という選択の疲労をゼロにし、無意識のうちに行動へ移る自動化が実現します。
また、心の燃料が尽きかけた瞬間には、先人たちが遺した言葉が強い支えになります。
ドイツの文豪ゲーテは、自らの手記で次のような言葉を残しています。
「できること、あるいはできると夢見ていることがあれば、まず始めよ。行動の中には、勇気と知恵と魔法が潜んでいる」
また、数々の金字塔を打ち立てた元メジャーリーガー・イチロー氏の言葉も、学習の真理を突いています。
「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道」
一気に分厚い参考書をマスターしようとするから圧倒され、足がすくむのです。今日解いたわずか3問の計算、覚えた5つの英単語という「小さな事実」を認めてあげること。その積み重ねこそが、スランプの深い霧を晴らす唯一の道筋です。