マルガリータさんの足跡は、決して平坦な道のりばかりではなかった。フィリピン共和国で生まれ育った彼女は、縁あって来日し、豊かな自然に抱かれた長野県木曽郡上松町で新たな生活をスタートさせた。言語や文化の違いに戸惑う日々の中でも、持ち前の明るさと温かい人柄で地域に深く根を下ろしていったのだ。
幼少期の御嶽海久司(本名・大道久司)にとって、母の存在はまさに太陽そのものだったという。信州の厳しい冬を吹き飛ばすようなマルガリータさんの歌声と笑顔。異文化が自然と調和する家庭環境こそが、どんな大一番でも物怖じしない息子の強靭なメンタルを育む土壌となった。