ふたりの出会いは1970年代初頭にさかのぼる。伝説のバンド「ペドロ&カプリシャス」に2代目ヴォーカリストとして高橋真梨子が加入した際、すでにメンバーとしてフルートやサックスを奏でていたのがヘンリー広瀬だった。ステージ上で視線を交わし、音を重ねる中で、互いの音楽的感性は急速に引き寄せられていった。
当時の音楽業界は多忙を極めていた。全国を駆け回る過密日程の中、若いふたりにとってバンド内での時間がかけがえのない共有体験となる。1978年に高橋がソロ歌手として独立を決意した際も、広瀬は彼女の才能を確信し、プロデューサーおよびバンマスとして全面的に支える道を選んだ。プレイヤーから裏方へと転身し、彼女の歌声を世界へ届ける決意を固めた瞬間だった。