SNSや医療相談プラットフォーム上では、「健康診断の空腹時血糖値は95mg/dLでA判定だったのに、精密検査を受けたらHbA1cが高く、糖尿病予備軍と診断された」という声が後を絶ちません。これこそが、年に一度の健診で見落とされがちな隠れ糖尿病(食後高血糖)の実態です。
日本人の体質的特徴として、欧米人に比べてインスリンの基礎分泌量が少なく、食後の血糖上昇に対して追加分泌が素早く追いつかない傾向があります。その結果、空腹時は数値を正常に保てていても、食後1〜2時間だけ血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を起こしているケースが多発します。
空腹時血糖値が正常であってもヘモグロビンA1cが高い理由は、日中の食後高血糖の連続によって赤血球中のヘモグロビンがじわじわと糖化されているためです。糖尿病予備軍の初期症状は口渇や多尿といった典型的な自覚症状がほぼ現れないため、日常的な食後の強い眠気や倦怠感を単なる疲労と片付けてしまうことが見落としの温床になっています。