「なぜ同じ日テレの番組なのに映画だけ配信されないのか?」という疑問の背景には、テレビ局の自社制作番組と映画作品における著作権・二次利用権の決定的な違いが存在します。
第一に、映画はテレビ局が単独で制作したものではなく、複数の企業が出資する「製作委員会」や映画配給会社(東宝、東映、松竹、ハリウッドメジャー各社など)が権利を保有しています。日本テレビが保有しているのは、あくまで「日本国内の地上波テレビで放送する権利(地上波放送権)」であり、インターネット上で不特定多数に動画を届ける「公衆送信権(ネット配信権)」は別個の契約です。
第二に、映画ビジネスにおける「ウィンドウ戦略(公開時期の順序立て)」の存在です。映画は劇場公開を皮切りに、有料配信(都度課金・見放題サブスク)、パッケージ販売(Blu-ray/DVD)、そして最後に無料の地上波放送へと流れる収益サイクルを持っています。地上波放送の直後にTVerで完全無料配信を行ってしまうと、有料サブスクの契約数やBlu-rayの販売実績、映画館のリバイバル上映に重大な経済的打撃を与えてしまうため、権利元が無料ネット配信を許諾しない構造になっています。