カナヲが「彼岸朱眼」の行使を余儀なくされたのは、宿敵である上弦の弐・童磨との激闘だった。師であり育ての親でもある胡蝶しのぶの命を賭した作戦を引き継ぎ、カナヲは自らの視力を代償に差し出す覚悟を決める。童磨の苛烈を極める血鬼術に対抗するため右目の能力を全開にし、極限の一瞬を捉えて首を斬り落とすことに成功した。
この決断により、彼女の右目は機能を失い、ほぼ完全な失明状態となった。能力の物理的限界を超えた行使がもたらした悲痛な結末ではあったが、それは「誰かのために自らの意志で戦う」という彼女の精神的な覚醒を象徴する瞬間でもあった。