ガウジングとは?溶接現場を支える裏ハツリの原理と安全対策を徹底解説

ガウジングとは?溶接現場を支える裏ハツリの原理と安全対策を徹底解説

ガウジングとは?溶接現場を支える裏ハツリの原理と安全対策を徹底解説について押さえておきたい 理由を厳選して解説いたします。

金属を削る方法としては機械的なグラインダー研削やチッピングハンマーによるハツリも存在しますが、重工業の現場で圧倒的な支持を集めているのが「熱と気流」を組み合わせた熱的除去加工です。その代表格であるガウジング仕組みと原理は、物理的摩擦ではなく「瞬間的な溶融と吹き飛ばし」で成り立っています。

最も広く普及しているアークエア方式では、専用のアークエアトーチに把持されたガウジングカーボン電極(炭素棒の外周に薄い銅メッキを施したもの)と母材(鋼板)との間に強力な電気アークを発生させます。アーク柱の中心温度は3,000℃〜5,000℃以上に達し、鉄の融点(約1,538℃)を瞬時に超えて鋼材をドロドロの溶融池へと変化させます。

それと同時に、トーチノズルの孔から電極に沿って0.5〜0.7 MPa(約5〜7 kgf/cm²)の高圧圧縮空気を連続噴射します。熱で溶けた金属(溶融金属・ノロ)は、この圧縮空気の猛烈なジェット気流によって瞬時に後方へと吹き飛ばされ、削り取られた痕跡が滑らかなU字状の溝となって残ります。

ネット上の検索ではしばしば「ガウジング溶接」という混同した呼称が見受けられますが、技術的な定義におけるガウジングと溶接の違いは極めて明瞭です。溶接がアーク熱で溶加材(ワイヤや溶接棒)と母材を溶融一体化させて「金属を足す」プロセスであるのに対し、ガウジングはアーク熱とエア噴射によって「金属を引く(除去する)」プロセスです。使用する電源装置自体は一般的な直流溶接電源を流用できるケースが多いものの、加工の目的と物理的作用は正反対に位置づけられます。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。