魅惑のオーストリア銘菓リンツァーアウゲン徹底解剖|名店と本場レシピ

魅惑のオーストリア銘菓リンツァーアウゲン徹底解剖|名店と本場レシピ

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リンツァーアウゲン(Linzer Augen)の起源は、オーストリア北部・オーバーエスターライヒ州の州都であるリンツにあります。その土台となったのは、1653年の古文書(アドモント修道院所蔵レシピ)に記録が残る世界最古のタルト「リンツァートルテ」です。ナッツをふんだんに練り込んだ生地にシナモンやクローブなどのスパイスを効かせ、赤スグリ(リビゼル)ジャムを詰めて格子状に焼き上げる重厚なタルトを、手軽に楽しめる小さな焼き菓子へと昇華させたものがリンツァーアウゲンの始まりとされています。

最大の特徴は、上段の生地に開けられた丸い穴です。伝統的なスタイルでは3つの小さな丸穴(三つ目)が開けられており、これがキリスト教における「三位一体(父と子と聖霊)」や幸福の象徴を意味すると伝えられています。焼き上がったサブレに粉砂糖(シュタウプツッカー)を美しく振り、ルビーのように輝くジャムをサンドすることで、粉雪の中に灯る温かな光のような独特の佇まいが完成します。オーストリアや南ドイツでは、アドヴェント(クリスマス前の準備期間)を彩る代表的なクッキー(ヴァイナハツゲベック)としても愛され続けています。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。