もんじゃ焼きの真骨頂は、箸で食べるのではなく、小さな金属製のヘラ(通称:ハガシ)を使って鉄板から直接こそぎ取って食べるライブ感にあります。しかし、家庭ではこのもんじゃヘラ食べ方が正しく理解されていないケースが少なくありません。
正しいハガシの使い方は、ヘラの刃先を鉄板に対して約45度の角度で当て、奥から手前へ生地の表面を薄く押し付けながらスライドさせる動作です。鉄板と生地の接点にある薄い膜状のお焦げをヘラの裏側に巻き取るようにして口へ運びます。この「カリッとした焦げ」と「表面のトロンとした生地」のコントラストこそが月島もんじゃの真髄です。
注意すべきは、「お皿に取り分けて冷ましてから食べる」行為は絶対に避けるべきという点です。もんじゃ焼きの生地は温度が下がると急速に糊化デンプンが老化(離水)を起こし、口当たりが一気にボテッとした不快なベチャつきに変化します。常に熱々の鉄板の上から直接ハガシで少しずつ削り取って食べるスタイルは、単なる下町情緒の演出ではなく、料理の構造上最も美味しく味わうための必然的なマナーなのです。