物語の核となるのが、2004年クリスマスイブに超高層マンション「スカイローズガーデン48階」で起きた野口貴弘・奈央子夫妻殺害事件です。現場で現行犯逮捕されたのは西崎真人であり、彼は「野口貴弘を燭台で殴り殺した」と自供して懲役10年の判決を受けました。しかし、10年後の2014年、出所した西崎の告白や元警察官・高野茂の執念の再捜査によって、現場の恐るべき真実が明らかになります。
事件の本当の流れは以下の通りです。
野口貴弘による激しいドメスティック・バイオレンス(DV)から奈央子を救い出すため、西崎は「N作戦II」と名付けた救出計画を実行しました。しかし、貴弘への歪んだ愛着と共依存に囚われていた奈央子は、助けに来た西崎を裏切り、夫の側につきます。激昂した貴弘が西崎に暴力を振るう中、パニックに陥った奈央子は夫を止めようとして燭台で貴弘の頭部を殴打し、野口貴弘を殺害した真犯人は妻の奈央子でした。
愛する夫を自らの手で殺めてしまった絶望から、奈央子はその場で貴弘の血だまりの中でナイフを自らの胸に突き立てて自殺します。駆けつけた西崎は、自らが母の虐待から救えなかった過去のトラウマを奈央子に重ね、「奈央子の名誉と犯行動機を守るため」、すべての罪を自分が被って逮捕される道を選びました。