ネット上やSNSでは「首を鳴らすとスッキリする」「コリが取れる」といった声が散見されますが、医学的な観点から意図的な首鳴らしは推奨されません。瞬間的な爽快感は、関節包の伸展刺激によって一時的に血流が促されたり、エンドルフィン等の神経伝達物質が分泌されたりすることによる錯覚に過ぎないためです。
首を急激に捻ってポキポキ鳴らす行為を反復すると、関節を安定させている靭帯が徐々に引き伸ばされ、首の関節が緩む「関節不安定症」に陥ります。すると生体防御反応として、骨自身が関節を補強しようとトゲ状の骨(骨棘:こつきょく)を形成し、結果として神経根を圧迫して頚椎症初期症状を自ら早めることになります。
さらに深刻なのが、頸椎の骨の中を通過して脳へ血液を送る主要血管「椎骨動脈」へのダメージです。急激な回旋ストレスによって血管の内膜が裂ける「椎骨動脈解離」を引き起こし、血管内にできた血栓が脳へ飛ぶことで首を鳴らす危険性脳梗塞リスクが現実のものとなります。特に20代〜40代の若年層における脳梗塞発症例として、カイロプラクティック等の過度な頚部アジャストや自己流の強い首鳴らしが関連した事例が医学学会等でも報告されています。