井手らっきょが東京を離れ熊本へ本拠地を移したのは2018年4月のことでした。折しも当時、オフィス北野の経営体制変更や師匠であるビートたけしの独立騒動が世間を大きく騒がせていたタイミングだったため、一部ネット上では「たけし軍団の内紛による事実上の脱退・追放ではないか」という不穏な憶測が囁かれました。
しかし、関係者の証言および本人が公式に語った移住理由は極めて個人的かつ真摯なものでした。最大の動機は、高齢となった実父と実母の介護(親孝行)です。東京で多忙な芸能生活を送るなか、故郷の高齢の両親と向き合う時間の限界を痛感していた井手は、長男としての責務を果たす決断を下しました。さらに、2016年に発生した熊本地震で被災した故郷を「自分の手で直接元気にしたい」という強い郷土愛が背中を押しました。
たけし軍団からの脱退や師匠との関係についても、事実無根の不仲説が完全に否定されています。移住を決意した際、井手は直接ビートたけしのもとへ出向き、両親の介護と故郷への想いを率直に打ち明けました。その際、師匠であるたけしは「親父とお袋の面倒を見るのは当たり前だ。熊本に行ってしっかり盛り上げてこい」と温かい言葉で背中を押し、快く独立を認めたという経緯があります。現在も師弟の精神的な絆は揺らいでおらず、軍団の魂を胸に地方創生へと身を投じたというのが歴史の真実です。