ネット上の議論では「鬼アプリを使う親は手抜きで虐待的だ」という極端な批判や、逆に「昔から『なまはげ』があるのだから全く問題ない」という楽観論が対立しがちです。しかし、民俗学的な伝統行事とデジタルアプリの間には決定的な違いがあります。
かつての「なまはげ」や地域の鬼文化は、恐ろしい鬼が家に入ってきた際、「親が体を張って子どもをかばい、鬼を追い払う」という構造がセットになっていました。これにより、子どもは恐怖を体験しつつも「親は自分を命がけで守ってくれる絶対的な味方だ」という強固な安心感(愛着関係)を再確認できたのです。
対照的に、スマートフォンを手渡して「ほら、鬼さんに怒られなさい」と子どもを突き放してしまうと、親が「鬼の共犯者」になってしまいます。この構造的な違いこそが、ネット上で見落とされがちな最大の盲点です。アプリを使用する際も、「親が子どもを守る防波堤のポジション」を崩してはなりません。