地上波の伝統を誇るフジテレビジョンをはじめとする日本のテレビドラマ業界も、従来の制作手法からの変革を迫られている。高画質化の波は、従来の「テレビ的お約束」を容認しない視聴者層を生み出した。画面のディテールに対する要求は年々高まり、衣装一枚のフィット感やシワの出方ひとつで、作品全体のリアリティが評価される時代である。
一方で、圧倒的な資金力とクオリティ管理で世界を席巻するNetflixやHBOといったグローバル配信事業者の現場では、画面上の視覚的ノイズを極限まで排除するプロセスが徹底されている。カラーグレーディング(色彩調整)の段階で不要なラインや影をデジタル技術で補正することすら珍しくない。日米の制作思想の違いが、画面に映るディテールの差となって顕現している。