『ボクらの時代』が他のトーク番組と決定的に一線を画している要因として、ロケ地となる喫茶店やカフェの選定が挙げられます。番組は一般的なテレビスタジオを一切使用しません。都内や近郊に実在する隠れ家的なカフェ、ホテルのラウンジ、あるいは趣のあるギャラリーを貸し切り、ロケセットとして使用しています。
制作スタッフへの取材によると、このロケ地選定には極めて繊細な計算が働いています。天窓から柔らかい自然光が差し込む構造、外部の喧騒を遮断する静かな立地、そして何より「カメラの存在を感じさせない空間設計」です。一般的なスタジオ収録では何台もの巨大なテレビカメラと数十人のフロアスタッフがタレントを取り囲みますが、本番組では小型カメラを空間に溶け込ませるように配置し、フロアスタッフの気配を極力消して収録が進められます。
この環境が生み出すのが、放送時間30分に収まりきらない膨大な未公開シーンです。実際の収録は1時間半から2時間近くに及ぶことが多く、オンエアされているのはその濃密なエッセンスに過ぎません。視聴者からのネットの反応や感想を分析すると、「もっと未公開シーンをノーカットで見たい」「会話の合間にある長い沈黙すらリアルで心地よい」という意見が目立ちます。沈黙を無理に埋めようとせず、コーヒーを口に運ぶ仕草や視線の揺らぎをそのまま捉えるカメラワークこそが、この番組のドキュメンタリー性を極限まで高めています。