フィクションとリアリティの境界を揺るがし、世界的な話題を呼んだ作品がある。Netflixで配信された実録犯罪ドラマ『ベビーレインディア』だ。コメディアンのリチャード・ガッドが自身の壮絶な被体験を基に自作自演した本作は、ストーカーまがいの行動が持つ気味の悪さと、被害者自身の複雑な心理を容赦なく描き出した。
作中で描かれるのは、親切心から差し出した一杯の紅茶をきっかけに、数万通のメールと数百時間の音声メッセージが押し寄せる異常事態だ。心理スリラーとしての緊迫感だけでなく、被害者が抱く恐怖、孤立感、そして加害者に対する歪んだ同情心までもを過酷なリアリティで表現している。実体験に基づいているからこそ、この作品が突きつける警鐘は視聴者の胸を深く刺した。