掘削現場から極秘裏に回収された未公開の青銅鏡片と絹織物の残欠は、古代史研究者の間に激震を走らせた。化学分析によって得られた同位体比データは、これらの品々が当時の中国大陸中原地域から直接もたらされた可能性を濃厚に示している。邪馬台国の女王・卑弥呼が魏の皇帝から授かったとされる「親魏倭王」の金印や鏡の記述と、今回の出土品がどのような接点を持つのか、議論は一気に熱を帯びた。
出土した石棺墓の構造や、その周辺から検出された水銀朱の密度は、被葬者がただの地域首長ではないことを物語る。卑弥呼の都が畿内か九州かという長年の論争に対し、この新出土品は九州説へ強力な根拠を投じることとなった。特筆すべきは、これまで近畿産の土器とされてきた混入品が、実際には有明海沿岸で精製された固有の土器であったという最新のX線分析結果だ。常識とされてきた編年図が、いま足元から崩れ去ろうとしている。