カルチャー教室や愛好家のコミュニティで頻繁に交わされるのが、「石を手で直に持って彫るべきか、それとも印床を使うべきか」という議論です。
古典的な巨匠の中には石を直接左手で掴んで彫る作家も多く見られますが、実態調査や指導現場のデータからは明確な結論が出ています。初心者が石を素手で保持した場合、作業開始から約20分で握力が低下し、ブレ率が急増するという報告がなされています。
「教室で最初に指導するのは、必ず木製の印床に石を挟むことです。素手で持っていると、無意識のうちに刃の進行方向に指を配置してしまい、滑った刃先で怪我をするケースが後を絶ちません」(都内篆刻教室 講師談)
印床を使用することで、石のブレを完全にゼロにできるだけでなく、両手を使って印刀をミリ単位で操作する余裕が生まれます。特に角が鋭利な角印や、厚みの薄い印材を加工する際には、印床の使用が仕上がりの精度を劇的に向上させます。