時計の針を2004年に戻してみる。当時、日本のインターネット業界はまさに爆発的な拡大期の入り口にいた。その中心にいたのが、渋谷を拠点に急成長を遂げていたサイバーエージェントの藤田晋氏だ。若くして上場を果たし、時代の寵児となった彼が選んだ伴侶が、稀代の美貌と演技力でカリスマ的な人気を誇っていた奥菜恵氏だった。
この結婚は、それまでの「プロ野球選手と女子アナ」「老舗歌舞伎役者と女優」といった定番のセレブリティ婚の構図を根底から覆した。新興IT企業の若き社長が、日本を代表する女優を射止める。このディテールこそが、当時の若者たちに「ネットビジネスの無限の可能性」を視覚的に植え付けることになったのだ。