数値換算を実際のトレーニング計画に落とし込むにあたり、安全性の担保は最優先事項だ。全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)が定める標準ガイドラインでは、フリーウェイトでの限界挑戦(1RM測定)を行う際、適切な補助者の配置と段階的なウォーミングアップ手順を強く推奨している。マシンの扱いに慣れた者が突然ベンチプレスで高重量に挑むと、肩関節や胸骨周りの靱帯に急激な過負荷がかかり、大胸筋断裂などの重症につながるリスクがある。
また、日本パワーリフティング協会(JPA)の競技規則に則れば、ベンチプレスには「主審のサインに従う」「お尻をシートから浮かせない」「バーベルを胸上で静止させる」といった厳格なフォーム規定が存在する。パワーリフティングの試合において記録として認められる重量と、ジムのマシンで挙上する重量には大きな質的違いがあることを認識しておくべきだ。換算式で弾き出した数値はあくまで目安とし、フリーウェイトに移行する際は推定値の80%程度の重量からフォームを固めていくことが推奨される。