本作を語る上で絶対に外せないのが、最終話のクライマックスに用意された前代未聞の演説シーンだ。朝倉総理がテレビカメラの向こうにいる国民へ直接語りかけるこの場面、実に22分35秒にわたってワンカット・ノー編集の生々しい映像が一発撮りされた。
スタジオには張り詰めた緊張感が漂い、木村拓哉の手元にはプロンプターもカンペも一切置かれなかったという。一言一句を完璧に身体へ叩き込み、政治の腐敗を詫び、主権者たる国民へ自らの進退を委ねる言葉の数々。木村の頬を伝う汗、かすれる声、感情の揺らぎがそのまま全国へ届けられた。虚構のドラマが現実の境界線を飛び越え、テレビというメディアの持つ力を極限まで証明した瞬間だった。