こうした「部下に罪を被せる上司」に対する人々の憤りと共感は、ポピュラーカルチャーの領域でも繰り返されるテーマだ。かつて社会現象を巻き起こした平成の名作ビジネスドラマ『半沢直樹』の「部下の功績は上司のもの、上司の失敗は部下の責任」という名台詞は、日本のサラリーマン社会における暗部を身も蓋もなく暴露し、大衆の胸を打った。
令和の今日においてもその図式は変わらない。NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスでグローバルにヒットを記録する最新のビジネスドラマや職場サスペンスでも、保身に走る無能な上司とそれに抗う労働者のドラマチックな攻防が描かれ、視聴者の強いカタルシスを呼んでいる。現実の職場での理不尽がリアルであるからこそ、エンタメの世界でも責任を負わない管理職は不変の悪役として君臨し続けている。