ハワイと日本の距離は約6400Km!毎年8Cm接近の真相と時差の罠

ハワイと日本の距離は約6400Km!毎年8Cm接近の真相と時差の罠

話題沸騰中の ハワイと日本の距離は約6400Km!毎年8Cm接近の真相と時差の罠について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

「ハワイが毎年日本に近づいている」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。これはオカルトや根拠のない都市伝説ではなく、国立天文台や国土地理院、海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの精密測位データによって証明されている紛れもない科学的事実です。

地球の表面は十数枚の硬い岩盤(プレート)で覆われており、ハワイ諸島は世界最大の海洋プレートである「太平洋プレート」の上に鎮座しています。太平洋プレートは、南米沖の東太平洋海嶺で新たに生み出され、北西方向に向かって年間約6〜9cmというスピードで移動し続けています。日本の国土地理院が実施している超長基線電波干渉法(VLBI)やGPS連続観測システムの解析結果でも、ハワイ・オアフ島と日本列島の間の直線距離は年間約8cmずつ短縮していることが確認されています。これは人間の爪が伸びる速度とほぼ同じであり、地球物理学のスケールでは驚異的なハイペースといえます。

では、このまま移動を続ければ、遠い未来にハワイは日本列島と陸続きになり、「歩いて渡れるハワイ」が誕生するのでしょうか。地質学が導き出す結論は、大方のロマンとは異なる残酷な運命を示しています。

太平洋プレートが向かう先、日本列島のすぐ手前には水深6,000mを超える深い海溝(日本海溝や伊豆・小笠原海溝)が口を開けています。重い海洋プレートはここで日本列島を乗せた陸側のプレートの下へと斜め深くに沈み込み、地球内部のマントルへと呑み込まれていきます。現在ハワイにある火山島群は、移動の過程で波や風による侵食を受けて徐々に標高を下げ、やがて海面下に没して平頂海山(ギヨー)へと姿を変えます。そして数千万年後、日本近海に到達する頃には海底深くに沈んだ状態となり、最終的には海溝で削り取られて日本列島の一部(付加体)に取り込まれるか、マントルの深部へと消え去る運命にあります。

人間の一般的な寿命である80年間で計算すると、縮まる距離は約6.4mに過ぎません。私たちが生きている間にフライト時間が目に見えて短縮されることはありませんが、常夏の島が太古から刻み続ける地球の壮大な鼓動を実感するだけで、ハワイへの旅情は一段と深まるはずです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。