長年、新橋の飲食店を縛り続けてきた「ランチは1000円以内」という暗黙のルール。これが完全に過去の遺物となった。現在、多くの人気店が1200円〜1800円の価格帯へシフトしている。しかし、客足が遠のく気配はない。むしろ、中途半端な安さよりも、価格に見合った圧倒的な価値を求める声が強まっている。
「週に数回の出社だからこそ、昼食はイベントなんです」。そう語るのは、IT企業に勤める30代の男性だ。彼が選ぶのは、炭火で丁寧に焼き上げた極厚の焼き魚定食(1600円)。かつての「とりあえず腹を満たす」ランチから、「心を満たす」体験へと消費者の意識がシフトしている証拠と言える。