インフラ側の対応はどうなっているのか。世界で唯一、本格的な定期放送を続けているのがNHKであり、NHK BS8Kでは国宝級の美術品や大自然のドキュメンタリー、大型スポーツ中継が息をのむクオリティで送り出されている。ルーブル美術館の至宝を至近距離で鑑賞するような体験は、まさに放送局としての威信をかけた独壇場と言える。
一方、ネット配信の領域では明暗が分かれる。YouTubeはオープンな規格を取り入れ、クリエイターによる8K解像度の旅動画やCGアニメーションが日常的にアップロードされているのに対し、Netflixなどの巨大サブスクリプション勢は依然として高効率な4K HDR配信を主軸に据えている。データ伝送帯域のコストとエンドユーザーの再生環境を天秤にかけた結果、配信業界の足並みは一枚岩ではない。だが、光回線の高速化と新たな圧縮コーデックの普及が、この膠着状態を確実に崩し始めている。