「整体」と「整骨院(接骨院)」は看板の印象が似ているため同一視されがちですが、開設者の保有資格や法的な位置付け、健康保険の適用範囲において全く異なる制度下で運営されています。
整骨院の施術者は、国家資格である「柔道整復師」を保持しています。一方、一般的な整体院やカイロプラクティックは公的医療保険の対象外となる民間療法であり、開設に国家資格の取得は法的に義務付けられていません。理学療法士や柔道整復師の有資格者が独立開業して整体院を名乗っているケースもあれば、数週間の民間スクール修了者や無資格の未経験者が施術を行っているケースも混在しています。
ここで最も注意すべきなのは、「慢性的な腰痛や単なる肩こり、疲労回復を理由とした整骨院での保険適用は違法」という点です。厚生労働省の通知により、整骨院で健康保険が使えるのは「負傷原因が明確な急性または亜急性の外傷(捻挫・打撲・肉離れなど)」に限定されています。慢性腰痛に対して「捻挫」などの架空名目で保険請求を行う行為は不正請求にあたり、患者側にも後日保険組合から照会書が届くリスクがあります。