近年、キャンピングカーや車中泊仕様の軽バンで四国を巡るバンライファーの間で、道の駅ことなみは「静寂に包まれて熟睡できる中継地」として名が知られています。しかし、安易な気持ちで宿泊地として選ぶと、想定外の事態に直面することになります。
現場取材と実際の宿泊利用者からのヒアリングによって判明した、車中泊におけるリアルな実情は以下の通りです。
- 圧倒的な静けさと引き換えの「漆黒の夜」:夜間は国道438号の通行量が激減するため、トラックの走行音に悩まされる心配はほとんどありません。しかし、敷地周囲には街灯が極めて少なく、施設消灯後は視界を奪われるほどの暗闇となります。深夜のトイレ移動には高輝度ランタンやヘッドライトの携行が必須です。
- 急激な夜間冷え込みと標高差:平野部の高松市街地と比較して、気温が3℃〜6℃程度低い環境にあります。春先や秋口でも夜間は真冬並みの冷え込みになることがあり、防寒具や冬用寝袋を怠ると体調を崩す原因になります。12月〜2月の冬季は路面凍結や積雪が発生するため、冬用タイヤの装着が厳格に求められます。
- 補給拠点の完全な不在:徒歩圏内はもちろん、半径5km圏内にも24時間営業のコンビニやスーパーマーケットは存在しません。最寄りのコンビニへ行くにも片道車で15分以上山道を下る必要があるため、夕食・朝食・飲料・医薬品は必ずチェックイン前に調達しておく必要があります。
- 携帯電波の受信状況:大手キャリアの電波は概ね圏内を維持しているものの、山肌に近い駐車区画や一部の格安SIM回線ではアンテナピクトが不安定になる事象が報告されています。
公共駐車場としての節度を守り、アイドリングの停止、ゴミの完全持ち帰り、車外へのテーブル・チェア展開の自粛といった「道の駅利用マナー」を遵守できる自立した車中泊ユーザーにとっては、極上の休息環境といえます。