平成の日本のテレビドラマ界を語る上で、東幹久の存在感は際立っていた。フジテレビジョンが制作するトレンディドラマのGolden Eraにおいて、彼は数々の大ヒット作で重要なポジションを担った。なかでも1994年のドラマ『29歳のクリスマス』では、山口智子演じる主人公を取り巻くスタイリッシュな男性キャストとして好演。揺れ動くアラサー世代のリアルな恋愛模様を繊細に演じ切り、俳優としての評価を確固たるものにした。
さらに2000年代に入ると、『ショムニ』シリーズでのコミカルなエリート社員役や、社会現象となった『やまとなでしこ』での富豪・東十条司役で強烈な印象を残す。特に『やまとなでしこ』で見せた、少しお坊ちゃん気質で憎めない婚約者役は、彼のキャリアにおける金字塔となった。二枚目でありながらどこか隙のある人間味あふれる演技は、作品全体の深みを増す大きな要素だった。