客層のグラデーションが著しく変化している。数年前までは新聞を片手にした地元の年配客が中心だったが、現在の店内を見渡すと、20代の日本の若者や、大きなバックパックを背負った外国人旅行者が大半を占める。
フランスから訪れたというカルロスさん(28)は、夢中になってレバーを引いていた。「パリにはこんな場所はない。スマホの画面を滑らせるゲームは刺激が強すぎるけれど、ここには本物の重力とバネの感触がある。玉が穴に入るか入らないかの数秒間、息を呑む感覚が最高だね」と笑顔を見せる。
デジタルnative世代にとっても、このアナログ体験はフレッシュに映る。画面越しのアニメーションではない。重力に従って物理的に転がる玉の挙動は、毎回予測不能だ。バネの引き加減という微細な力仕事が結果を左右する面白さが、思わず何度もコインを投入させてしまう中毒性を生んでいる。