アフターピルの服用の有無にかかわらず、行為から数日から数週間が経過した後に襲ってくるのが「妊娠したのではないか」という身体症状への疑心暗鬼です。ネット情報に惑わされず、生理周期と生体反応の正しい知識を持つことが不可欠となります。
まず前提として、スマートフォンの生理管理アプリ等で表示される排卵日と危険日の計算は、あくまで過去の平均周期から算出した予測値にすぎません。人間の排卵はストレス、体調不良、睡眠不足などで容易に1週間以上前後します。「アプリで安全日と出ていたから大丈夫」という理屈はまったく成り立たないのです。
受精が成立した場合、受精卵が子宮内膜に着床する時期(性交から約7〜10日後)に、少量の出血が起こることがあります。この現象を巡り、多くの女性が着床出血と生理の見分け方に頭を悩ませます。判断基準の目安は以下の通りです。
- 着床出血の特徴:出血量が非常に少なく、下着に数滴つく程度やトイレットペーパーで拭いた際にうっすらピンク〜茶色く付く程度。期間も1〜2日程度で終わり、通常の生理のような塊や鮮血が持続することはない。
- 通常の月経の特徴:鮮血から始まり、2〜3日目をピークにまとまった量の出血が3〜7日程度続く。
さらに、受精卵が着床すると体内ではhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という特有のホルモンが分泌され始め、身体に様々な変化が生じます。以下の妊娠初期症状チェックリストを参考にしてください。
- 基礎体温の高温期が生理予定日を過ぎても2週間以上継続している
- 身体が火照る、微熱感が抜けずだるい
- 胸が張って乳頭が痛む、下腹部にチクチクとした差し込み痛がある
- 理由のない強い眠気や吐き気、胃のムカつきがある
- においに敏感になる、食の好みが急変する
ここで多くの人が陥るのが、妊娠検査薬フライング検査の時期の誤謬です。市販されている標準的な妊娠検査薬は、尿中hCG濃度が50mIU/mLに達する「生理予定日の1週間後(性交から約3週間後)」に使用するよう設計されています。不安に耐えかねて行為から10日後などに検査を行っても、ホルモン量が検出基準に満たず「偽陰性(本当は妊娠しているのに陰性と出る)」となり、無用な油断を生む危険性があります。早期検査薬(一部のファストタイプ)であっても生理予定日当日前後からの判定となるため、適切な時期を待って正しく判定を行わなければなりません。