耐えがたい希死念慮が数日間にわたって継続している場合、自助努力や休息だけで改善を試みるのは危険です。専門医による薬理学的・医学的な介入が必要不可欠となります。しかし、精神科や心療内科に対して「一度行ったら終わりではないか」「何を話せばいいかわからない」と受診を躊躇する声は依然として根強く存在します。
客観的な精神科 受診の目安として、以下の3項目のうち1つでも当てはまる場合は、迷わず受診の予約を入れてください。
1点目は「睡眠の崩壊」です。布団に入っても2時間以上眠れない入眠障害、深夜や早朝に何度も目が覚めて恐怖感に襲われる中途覚醒・早朝覚醒が1週間以上続いている状態。2点目は「食行動の異常」で、喉を通らず急激に体重が減少している、あるいは過食が止まらない状態。3点目は「意欲の完全な消失」で、入浴や歯磨き、着替えといった基本的なセルフケアが困難になっている状態です。
受診に際して最大の障壁となるのが「初診予約の取りにくさ」です。都市部を中心に、初診待機期間が2週間から1カ月におよぶクリニックは珍しくありません。希死念慮が切迫している場合は、予約電話の時点で「希死念慮が強く、日常生活が破綻しているため、一刻も早く診察を受けたい」と受付スタッフに症状の重篤性を明確に伝えてください。キャンセル枠への優先案内や、精神科救急(各都道府県の救急医療情報センター)への案内を受けられるケースがあります。
受診後は、医師に対して現状の就労継続が不可能であることをありのままに訴え、希死念慮と休職の診断書の発行を依頼します。診断書には「うつ病」「適応障害」「抑うつ状態」などの病名と併せて、「〇月〇日より休職・療養加療を要する」といった文言が記載されます。この診断書を会社の総務や人事、直属の上司に提出することで、法的な裏付けを持った休職期間に入ることが可能です。
経済的不安から休職に踏み切れない労働者も多く見受けられますが、健康保険に加入している会社員・公務員であれば「傷病手当金」の制度を利用できます。業務外の病気やケガで連続3日以上仕事を休み、給与が支払われない場合、支給開始日から通算して最長1年6カ月間、標準報酬日額の約3分の2に相当する手当金が支給されます。生活費のセーフティネットが存在することを前提に、まずは自身の生命と心身の防衛を最優先に位置づけてください。