スマートフォンの利便性を享受する以前に、すべてのサイクリストが直面しているのが法規制の厳罰化です。道路交通法の改正により、自転車の「ながら運転」に対する取り締まりは劇的に強化されました。さらに現在では、交通反則通告制度(青切符)の適用が定着し、警察官による現場での指導・告知が日常的に行われています。
警察庁が公表している運用基準および道路交通法第71条第5号の5の定めに基づくと、自転車に取り付けたスマートフォンの画面を「注視」する行為は明確に違反行為とみなされます。判例および警察の取り締まり現場において、注視とは一般に「2秒を超えて視線を画面に固定すること」と定義されています。画面を手に持って走行する行為(保持)はもちろんのこと、ハンドルに固定したホルダーであっても、地図を凝視しながら走行していれば即座に摘発の対象となります。
法規を遵守し、自らの安全を守るためのホルダー運用には以下の3原則が求められます。
第一に、ハンドル中央付近、ステム上部またはフロントフォーク前方への設置です。視界の端に道路状況を捉えつつ、前方視界から視線を大きく外さずにチラ見できるレイアウトを組む必要があります。第二に、走行中の操作を完全にゼロにすること。操作が必要な場合は、必ず路肩に安全に停車してから行わなければなりません。第三に、音声案内の積極活用です。骨伝導イヤホンなど周囲の環境音を遮断しない適切な機器を併用し、画面を見る頻度そのものを極小化することが、2026年最新の道路環境におけるスマートな走法といえます。