石坂浩二(本名・武藤兵吉)は、慶應義塾大学法学部に在学中から舞台芸術へ深い造詣を持ち、劇団四季の創設期において劇作家や演出、そして俳優として多角的に関わっていた。当時の写真を開くと、スマートでどこか物憂げな瞳を持つ青年が写っている。
モデル並みのスタイルの良さと彫りの深い顔立ち、そして溢れる知性。劇団四季の舞台に立っていた頃の彼は、楽屋口に女性ファンが押し寄せるほどの熱狂を生んでいた。東宝の舞台や映画関係者からも熱い視線を浴びていた彼は、単なる男前という枠を超え、知的センスと品格を兼ね備えた唯一無二の存在として脚光を浴びていく。