デジタル配信全盛の時代にあって、日本独自の「パンフレット文化」は異彩を放っている。欧米の劇場ではあまり見られないこの文化だが、国内では作品の世界観を補完するプロダクションノートやインタビューがぎっしり詰まった解説書として、根強い支持を集めてきた。
映画業界全体を見渡しても、劇場へ足を運ぶ体験そのものを特別化する動きが加速している。豪華な特殊紙を使った表紙、銀箔押しや立体加工を施した装丁など、手触りや見た目の所有欲を満たす工夫が年々進化しているのだ。一度映画館を離れれば二度と手に入らない限定アイテムだからこそ、ファンは購入を躊躇しない。そして気付けば、部屋の一角を圧迫する大群となって現れる。