山口百恵が芸能界引退後に情熱を注ぎ込んできたもうひとつのライフワークが、パッチワークキルト作家としての創作活動です。1987年頃、キルト作家の第一人者である鷲沢玲子氏に師事して以来、35年以上にわたり針を握り続けています。
国内最大級のキルトの祭典である「東京国際キルトフェスティバル」などでは、毎年本名である「三浦百恵」名義で大作を出展。幾重にも布を重ね、精密かつ温かみのある色彩感覚で仕立てられたタペストリー作品は、美術工芸関係者からも「単なるタレントの手習いとは一線を画す、高度な技術と詩情が宿った本物の芸術」と極めて高い評価を得ています。
2019年に刊行されたキルト作品集『時間の花束 Bouquet du temps』(日本ヴォーグ社)は、引退から約39年ぶりの著作として初版10万部、累計20万部を突破する異例のベストセラーを記録しました。印税収入はすべて被災地支援などの慈善事業に寄付されており、商業主義に走らず純粋な創作と社会還元を貫く姿勢は、ファンの深い敬意を集めています。