検索エンジンやSNSで「茅ヶ崎 道の駅」と打ち込むと、サジェストに「中止 理由」という不穏な言葉が今なお表示されることがあります。なぜこれほどまでに「計画中止」の噂が根強く定着してしまったのでしょうか。茅ヶ崎市の公表資料および市政報道の推移をたどると、そこには明確なターニングポイントが存在していました。
発端となったのは、2018年秋の市長交代と財政健全化方針です。前市長の急逝に伴う選挙で初当選した佐藤光市長は、市の厳しい財政状況を鑑み、巨額の市費を投じる大型公共事業の総点検を宣言しました。その重点対象となったのが、当初計画されていた柳島地区の道の駅整備計画でした。市庁舎内で事業の「一時凍結・抜本的見直し」が発表された際、一部のメディア報道や市民の間で「事業が白紙撤回された」「計画中止が決まった」というセンセーショナルな言説が独り歩きしてしまったのです。
さらに追い打ちをかけたのが、その後に発生した世界的な建築資材費の高騰と人件費の上昇でした。当初目標として掲げられていた2021年度から2022年、さらには2025年へと開業時期が度々延期されたことで、「いつまで経っても工事が始まらない=やはり裏で頓挫したのではないか」という疑念を決定づけてしまいました。
当時の市議会関係者の取材証言によれば、「市が直営で莫大な公費を投じる旧来型モデルは確かに中止されたが、民間のノウハウと資金を呼び込むPFI手法への全面転換を図っていた」というのが実態でした。つまり、計画そのものが消滅したのではなく、「公費垂れ流し型から民間連携型への大改革」に伴う産みの苦しみが、数年におよぶ沈黙と延期の真相だったのです。