発売当時の熱狂から現代のSNS空間に至るまで、このセリフに対するコミュニティの反応は、単なる批判を超えた「共有体験のシンボル」として昇華されています。
1987年の発売直後、小中学生の会話では「あいつ宿屋でサボってたぞ」「探したのは俺たちだろ!」と大論争が巻き起こりました。さらに加入直後のサマルトリアの王子が、武器も防具も心もとなく、攻撃力も呪文も中途半端な「器用貧乏」なステータスであったこと、そして中盤の「ベギラマの弱体化」や終盤の「シドーの炎で即死」といった戦闘バランスの厳しさも相まって、「口先だけは達者なのんきな王子」というイメージが不動のものとなったのです。
現代のX(旧Twitter)や5ちゃんねる等でも、誰かと待ち合わせで激しくすれ違った際や、探し物が灯台もと暗しで見つかった際の定番構文として「いやーさがしましたよ」が引用され続けています。
この強烈なミームに対し、公式が真正面から応えたのが2017年発売の『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』でした。作中の「冒険の書の合言葉」で訪れることができる「ヨッチ村の祭壇(ドラクエ2の世界・悪霊の神々の祭壇)」において、完全にこのイベントがパロディ化されたのです。
『DQ11』の追憶イベントでは、サマルトリアの王子が再び行方不明になり、プレイヤーは勇者の泉、ムーンペタ、ローレシアと各地をたらい回しにされます。そして最終的に発見された際、見事なまでにあの有名なセリフ回しが再現され、オールドファンを歓喜と苦笑の渦に巻き込みました。公式自らが「ドラクエ史を代表するネタイベント」として公認した決定的な瞬間でした。