玉やメダルに直接触れることなく、デジタル上で数値が激しく上下する「スマート遊技機」が完全に日常風景となった2026年。この数年で業界を取り巻く力学は激変した。莫大な導入コストに耐えかねた中小規模の老舗ホールが次々とシャッターを下ろすなか、資本力でフロアの大半を一気に最新鋭機へと転換したメガホールだけが、急速に客足を吸収する構図が完成している。
かつてホール内を満たしていた金属特有の重たい摩擦音は消え去り、スピーカーから響くクリアな高音質サウンドがフロアを包む。出玉を誇示するドル箱の山が消えた今、プレイヤーを引き留める基準はよりシビアになった。ある30代の常連客は「昔のような泥臭い熱気は減ったが、タバコの煙も消え、椅子や設備も長時間の滞在を前提に作られている。打つこと自体の肉体的疲労がまったく違う」と語る。徹底したクリーン化と利便性へのシフト。それは、巨大資本による容赦ないスクラップ・アンド・ビルドがもたらした必然の景色だ。