映像を伴わない「音のみ」のメディアにおいても、声の持つエネルギーは大いなる脚光を浴びている。Spotifyなどのストリーミングサービスで急成長を遂げる音声コンテンツ産業では、視覚的情報に頼らない「純粋な聴覚体験」へのニーズが急速に高まった。その代表格がASMR(自律感覚絶頂反応)だ。
エンターテインメント業界は今、耳元で語りかける吐息や微細な環境音、身体のすれ違う音などがもたらすリラクゼーション効果と癒やしに注目している。ストレス社会に生きる現代人にとって、誰かの吐息や声のぬくもりを至近距離で感じ取る体験は、孤独感を和らげ、精神的な安らぎをもたらすデジタル処方箋として機能し始めている。