インターネット上や一部の怪談話では「水子供養をしないと病気や不幸に見舞われる」「水子が祟る」といった言説が散見されますが、これは仏教の正統な教えに照らし合わせても明白な誤りです。
地蔵菩薩の慈悲のもとに抱かれた水子の霊が、実の親を恨んだり祟ったりすることは絶対にありません。昭和の後期に一部の悪質な霊感商法や商業的な宣伝によって「祟り」という恐怖心が意図的に植え付けられた背景があり、宗教学や仏教界でもこうした脅迫的な言説は強く否定されています。
水子供養の本質は、恐怖から逃れるための儀式ではなく、親として我が子の命の存在を認め、感謝と哀悼の意を捧げる「心の対話」です。流産や死産、やむを得ない事情による中絶を経験した女性や家族が自分を過度に責めることなく、深い悲哀(グリーフ)を昇華させるための大切なプロセスこそが供養の本質といえます。