足の爪の色が悪い原因は病気?黒・黄・紫の見分け方と皮膚科受診の目安

足の爪の色が悪い原因は病気?黒・黄・紫の見分け方と皮膚科受診の目安

足の爪の色が悪い原因は病気?黒・黄・紫の見分け方と皮膚科受診の目安についての疑問解決ガイドをお届けします。

足の爪に黒いシミや筋が現れた際、皮膚科外来で最も緊張感が走るのが爪下血腫とメラノーマの見分け方です。爪下血腫は爪の下で毛細血管が破綻して血液が溜まった良性の状態ですが、メラノーマは皮膚悪性腫瘍の中でも極めて転移しやすく予後不良とされる悪性腫瘍です。

両者を見分ける最大の判断軸は「時間の経過に伴う病変の移動」です。爪は根元の爪母で作られ、1日に約0.05〜0.08ミリメートル、1か月で約1.5〜2ミリメートルのペースで先端へ押し出されます。爪下血腫であれば、血液の塊は爪甲に固着しているため、爪が伸びるにつれて黒い部分が先端へと移動し、最終的には爪切りで切り落とされて消失します。輪郭は比較的明瞭で、受傷直後は赤紫や暗赤色を呈し、徐々に黒褐色化します。

対照的に悪性黒色腫(メラノーマ)は、爪母のメラノサイトが悪性化して無秩序に増殖する病態です。爪が伸びても黒い変色が根元から消えず、それどころか爪の根元から先端に向かって縦の黒い帯(爪甲色素線条)が走り、時間の経過とともにその筋の幅が広くなっていきます。さらに、黒い色素が爪の中にとどまらず、爪周囲の皮膚(後爪郭や側爪郭)にまで染み出しのように広がっていく現象は「ハッチンソン徴候(Hutchinson's sign)」と呼ばれ、メラノーマを強く疑う決定的な所見とされています。

日本人のメラノーマは足の裏や足の爪に好発する「末端黒子型」の割合が全体の約4割を占めます。靴による圧迫痕と思い込んで半年以上放置した結果、進行した状態で発見されるケースが後を絶ちません。黒い筋の幅が6ミリ以上に拡大している、色調に濃淡のムラがある、爪が縦に割れて崩れてきたといった兆候がみられる場合は、一刻を争う鑑別が必要です。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。