2024年3月末、林下詩美のスターダム契約満了による退団発表は、マット界に激震をもたらしました。当時、彼女は名門ユニット「Queen's Quest(クイーンズ・クエスト / QQ)」の3代目リーダーを務め、ブシロード体制下のスターダムにおいて揺るぎないトップの座を確立していたからです。
退団の決定打となったのは、長年彼女の才能を見出し育成してきたエグゼクティブプロデューサー・ロッシー小川氏の契約解除に伴う新団体設立でした。当時の記者会見や本人の公式コメントを振り返ると、そこにはビジネスの枠組みを超えた「プロレス観の共有」と「師弟の絆」が明確に存在していました。
関係者の証言によると、大資本のもとでエンターテインメント化が加速する既存の環境に対し、プロレス本来のストロングスタイルと人間ドラマを追求するロッシー小川氏のヴィジョンに林下が強く共鳴したとされています。安定したエースの地位を投げ打ち、ゼロからの旗揚げに身を投じる選択は、レスラーとしてのプライドと尽きない向上心が生んだ必然の決断でした。