『太陽を盗んだ男』なぜ伝説なのか?ゲリラ撮影の真相と結末を徹底解剖

『太陽を盗んだ男』なぜ伝説なのか?ゲリラ撮影の真相と結末を徹底解剖

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『太陽を盗んだ男』を語る上で欠かせないのが、スタッフやキャストが「二度とやりたくない」と口を揃えた過激な撮影の数々です。中でも映画史の伝説として語り継がれているのが、皇居前で行われた無許可のゲリラ撮影の真相です。

物語中盤、警察に追撃される誠の車が激しいチェイスを繰り広げるシーンにおいて、制作陣は警察庁や警視庁からの撮影許可が得られないことを予期し、事後承諾どころか完全な無許可でロケを強行しました。当時の制作関係者の回想録やインタビューによれば、スタッフは目立たないワゴン車にカメラを潜ませ、無線で合図を送りながら白昼の皇居前広場に猛スピードで車を侵入させました。

スピンを繰り返してタイヤから白煙を上げるアクションを撮影する中、事態に気づいた本物の警察官やパトカーが現場へ急行。制作陣は撮影用の車を乗り捨て、フィルム缶を抱えて散り散りに逃走したと伝えられています。後日、監督の長谷川和彦や制作を担当したキティ・フィルムの首脳陣は警視庁へ出頭を命じられ、厳重な始末書を書かされる事態に発展しました。

狂気は皇居ロケだけに留まりません。深夜の首都高速道路を猛スピードで疾走するカーチェイスシーンでは、一般車両が走る中でゲリラ的にクラッシュスタントを敢行し、スタントマンが重傷を負う事故も発生しました。長谷川監督の妥協なき熱量はキャストにも向けられ、主演の沢田研二は真冬の寒空の下、過酷なワイヤーアクションや高所からのダイブをスタントなしでこなすことを強いられました。菅原文太が後年「あの現場は殺気立っていた」と述懐した通り、映画全体に漂う異様なテンションは、現場の切迫感そのものがフィルムに焼き付いた結果と言えます。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。