「真面目で几帳面」「他人に弱音を吐けない」「何事も自分で抱え込む」といった気質を持つ人が子宮筋腫になりやすいという噂は、医療関係者の間でも完全に否定されるばかりではなく、一定の文脈を持って受け止められてきました。しかし、子宮筋腫の医学的根拠とエビデンスを精査すると、「特定の性格遺伝子が筋腫の発生を直接誘発する」といった因果関係は一切立証されていません。
では、なぜこれほど強固に子宮筋腫と我慢強い性格の関連性が取り沙汰されるのでしょうか。その背景には、我慢強い性格がもたらす「慢性的な高ストレス環境への曝露」と「体調不良の放置」という二重の間接的リスクが潜んでいます。
真面目で責任感が強い人物ほど、体調の異変を感じても「これくらいの生理痛やだるさは誰にでもある」「仕事を休むわけにはいかない」と過小評価し、受診を先延ばしにする傾向が顕著です。結果として、筋腫が数センチ大まで増大し、重度の貧血や過多月経で倒れて初めて発覚するケースが頻発します。この「発見の遅れ」が、「真面目で我慢強い人ばかりが重症化している」という臨床現場での印象を補強してきた実態があります。
さらに見過ごせないのが、感情の抑圧が身体に与える影響です。怒りや不安、疲労感を外に表出せず内側に抑え込み続けると、交感神経が過剰に緊張し続けます。この状態が長期化することで、内分泌系や免疫系の恒常性が破綻し、腫瘍の増大を抑制する生体防御機能が低下する可能性は心身医学の研究でも指摘されています。