屋外球場での観戦や中継を楽しみにしているファンにとって、最も警戒すべき要因が天候の急変です。インターネット上では毎日のようにプロ野球雨天中止情報が検索されますが、そこにはファンがあまり意識していない「中止決定権限の移行ルール」という盲点が存在します。
一般的に「雨が降れば主催球団が中止を決める」と思われがちですが、決定権の所在はグラウンドルールによって厳格に時間管理されています。公式発表資料や日本プロフェッショナル野球協約の規定に基づくと、試合開始前まではホーム球団の球場責任者が中止の判断権を持っています。しかし、メンバー表が交換された瞬間から、中止や試合中断の決定権は審判員(球審・審判団)へと完全に移行します。
この境界線を知らないファンの間では、「まだ小雨なのに早く中止を決めたのは集客を諦めたからだ」「土砂降りなのに試合を強行したのは興行収入のためだ」といった誤解や憶測が飛び交いがちです。しかし現場では、グラウンドキーパーによる水はけ状況の計測、雨雲レーダーの推移予測、何より選手の怪我防止と安全確保という極めてシビアな基準のもとでギリギリの折衝が続けられています。
また、雨天中止に伴うプロ野球予告先発の「スライド登板」についても注意が必要です。先発予定だった投手を翌日の試合にそのままスライドさせるか、それとも登板を一度飛ばしてローテーションを再編するかは、ベンチの命運を分けます。肩を作って登板直前までウォーミングアップを終えていた投手は、試合中止によって肉体的・精神的なエネルギーを消耗しており、単に翌日へ登板日をずらすだけでは本来のパフォーマンスを発揮できないリスクを孕んでいます。