しかし、こうした歴史的スポットの注目度が上がる一方で、地域住民の生活への影響も無視できなくなっている。狭い生活道路に多くの観光客が流入することで、騒音やプライバシーの侵害といった問題が顕在化しているのだ。さらに、遺構の本格的な保存調査を進めるためには、一部の道路規制や開発計画の見直しが必要となり、住民生活の利便性との衝突が避けられない状況にある。
「歴史は大切だが、私たちはここで毎日暮らしている」という住民の本音と、「貴重な文化財を後世に残すべきだ」という専門家やファンの主張。この二つの正義をどう調和させるかについて、行政側も明確な答えを出せていない。観光公害(オーバーツーリズム)が叫ばれる京都において、この場所はまさにその縮図とも言える課題を突きつけている。